『知的生活』といふものを ブロガーもしてみんとてするなり

公開日: : 最終更新日:2015/05/17 徒然なるままに

先日、神戸近辺のブロガーさんやらアフィリエイターさんやらのウェブメディア運営者さんと集まって色々なお話をしてきました。
その中で、あるアフィリエイターさんが「僕はいま作っているこれらのサイトが完成したら、次は自分が本当に作りたいサイトを作ろうと思う。僕はそろそろ金稼ぎとか度外視して、○○のようなサイトを作りたい!」みたいなことをおっしゃっていて、「そういや僕の本当にやりたいことってなんだったっけな・・・?」と考えさせられました。

自分がアフィリエイトを始めたきっかけとか、昔のことを色々思い出して考えてみて、「そういや僕は『知的生活』をしたくてアフィリエイトを始めたんだった・・・。」と思い出したわけです。

大学時代の挫折

僕はいま36歳なのでもう10数年前のことになりますが、大学を1年留年しています。
お恥ずかしい話ですが、理由は1回生のときに授業にも出ず、試験もほとんど受けなかったためによる単位不足です^^;

受験勉強を頑張り、親に高いお金を出してもらって、大学生活を謳歌するぜ~!と夢と希望に溢れて入学した大学だったわけですが、初めて受けた大学の講義があまりにもつまらなすぎて、当時の僕はショックを受けてしまい、ほとんど授業に出なくなってしまいました。

今はどうなっているか知りませんが、当時、僕が行っていた大学では、大きく分けて、一般教養という基礎的な講義と、外国語(英語と第2選択語)、そして自分の専攻に沿った専門科目という3種類の授業がありました。
一般教養から○単位以上、外国語で○単位以上、専門科目で○単位以上取得すれば卒業でき、それらの講義の中から卒業単位を満たすように自分で興味のある講義を選択して時間割を組み立てていく感じです。

ただこれらの授業が絶望的につまらなかった。
中には一部、面白い講義もありましたが、特に一般教養の講義は本当につまらなかった。

・ぼそぼそしゃべって何を言っているのか聞き取るのが大変な教授。
・自分の書いた本を指定教科書にして、5,000円以上する高い本を学生に買わせる教授。
・講義内容は教授がその教科書を延々と朗読するだけ。

そんなつまらない授業でも前の方に座って熱心に授業を受けている学生はいましたので、一方的に授業がつまらないというわけではなく、僕の方にも大学の講義を受けるための準備ができていなかったのでしょう。
でもまあ、「大学の授業は高校までの画一的な『勉強』ではなく、自由な『学問』なんだ!」と期待をして入学した僕には、そんな授業に出るのが苦痛でしかなく、周りの友人のように要領良く講義ノートを買ったりして、試験対策だけをする気にもなれずに、1回生の前期で取得した単位はわずか2単位のみでした。

※補足
卒業に必要な単位は120くらいで、それを3年で取るから1回生で40単位ほど(4回生は就活なのでほとんど授業は受けない)。1年は前期と後期に分かれているので、1回生の前期で20単位以上は取りたいというのが通常の流れ。
ちなみに僕は文系です。理系は知らん。

学問の面白さをちょっと知る

1回生のときにほとんど単位を取得しなかったツケが4回生になってからやってきます。
周りの友人たちはほとんど3回生までに卒業に必要な単位を取得し終わって就職活動を本格化させていきますが、僕は「ちゃんと授業に出て、本気で単位を取っていかないと卒業できん!!」という事態になります。
数少ない大学の友人たちはもう授業にはほぼ出ないので、協力しあうこともできず、自力でなんとかするしかないわけです。

そこで「就職活動したくないな~」という逃げの気持ちも手伝い、すっごく真面目に授業を受けるようになっていきました。
1回生のときに見た、「一番前の席に座って熱心に授業を受けていたあの学生」に4回生になった僕がなったわけです^^;

すると、それまでつまらないと思っていた大学の授業がめちゃくちゃ面白くなってきたんですね。
高学年になり一般教養の単位は取り終え、より自分が興味関心のある専攻に沿った専門科目の授業を受けられるようになったという理由も大きいかもしれませんが、あんなにつまらないと思っていた大学の授業が「こんなに面白いものだったのか!?」と思うようになりました。

そんなときに英語学者の渡部昇一さんが書いた『知的生活の方法』という本を読みました。

知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。
日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけてゆくには、どんな方法が可能か?
読書の技術、カードの使い方、書斎の整え方、散歩の効用、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして結婚生活・・・。
本書には、平均的日本人に実現可能な、さまざまなヒントとアイデアが、著者自身の体験を通じて、ふんだんに示されている。
知的生活とは、なによりも内面の充実を求める生活なのである。

この本は初版が1976年とかなり古いですが、内容は素晴らしく、タイミング的に「勉強」「学問」「読書」ってこんなに良い物だったのか!と思っていた大学生の僕にとってはかなり衝撃を受けた愛読書となりました。
知的生活とは何か?というと一言で表すのは難しいですが、僕なりの解釈だと、「何にも邪魔されない自分専用の空間(書斎)で、ゆったりとした自由な時間のなかで、読書をしたり音楽を聞いたりしながら、色々な物事を自分の頭で考える。さらにそれらの考えを自分でも書いたりしてアウトプットする。そのような文化的に豊かなライフスタイル」だと考えています。

貧乏な大学生だった僕は、「自分もこんな知的生活を送りたい。」と思うようになりました。

知的な生活に従事する時間は、自己実現の時間である。~中略~
そして人間と動物を決定的に分つもの、それが「知」である。
自然を見て感激して詩を作ったり、その詩を読んで作者の感激を追体験したり、あるいは絵を描いたり鑑賞したり、作曲したり聞いたり、数式を立てたり解いたりするということは人間のみがなしうることで、この人間のみがなしうる生活が知的生活なのである。P185

私は世の中には収入を得るために働く、つまり「稼ぐ」ということのほかに、人の考えを聞いて、感心したり批判したり、また、実利、つまり収入とは何にも関係ないのに書物を読むというような生き方のあることを父を見て知ったわけである。P172

しかし、それまでの大学生活のなかで自分の将来のことをろくに真剣に考えず、授業にも出ず、日々、バイトと麻雀に明け暮れていた僕には、知的生活をできるようになりたい!と思っても、何をすればいいのかサッパリ分かりませんでした。

もう4回生だし、いまさら研究職とかを目指して大学院に行くのもちょっと違う。
理系ならまだ企業に就職して研究職に就くという手もありますが、文系で研究職というと大学教授とかの大学教員くらいしか思いつかない。

もしあなたが、大学の授業を通して学んだ学問分野に、ものすごく心を惹かれているとしましょう。あなたはこう考えます「この研究は面白いなあ。もっと勉強してみたいな。大学院に行くのもいいかもしれないな。ひょっとしたら、この研究を仕事にして、それで食べていけるようになるかもしれないし!」このエントリは、そんな人に向けた、「研究で食べていくことを目指すときに、知っておいて欲しいこと」です。対象は、いわゆる「文系」に絞ります。理系でも当てはまる部分はあると思いますが、あちらにはまた色々と異なる慣習があるので。まずは、「研究で食べていく」とはどういうことか。文系の学問分野においては、それは殆ど「大学の先生にな…

さすがに大学教授に自分がなれる気はしない。
それでも「大学教授になる方法」なんて本を買ったりしましたが^^;

もちろん渡部昇一さんの言う知的生活は、ライフスタイルのことを言い、職業は問わないのでどのような仕事をしていても知的生活を送ることは可能です。
ですので学芸員とか司書とか少しでも知的生活に近そうな職業を考えたりもしました。
ただそういう仕事は離職率が低く、公開募集されているような求人数も多くないので、コネなしには職に就くのがなかなか難しい。
そもそも今からじゃ大学に行き直さないと資格すら取れん。

まあそんな感じで悶々とした日々を過ごし、なかなかモラトリアムから抜け出せないまま、留年をし卒業を迎えます。
結局、就活もろくにしなかったので、進路未定のまま卒業し、いわゆる大卒フリーターというやつになります。

この時期は僕史上のなかでもなかなかの極貧期で、1日1食1週間納豆チャーハンのみ(最終的に納豆のにおいでえずくようになり断念)とか、母親に3日何も食べてないから1,000円でいいから振り込んでくれないか?と泣きついたりしました^^;
学生時代から付き合っていた彼女には「なんでちゃんと就職しないの?」と散々詰められ、最終的には先に就職した彼女は職場で上司と付き合い出しフラれました。
お笑い芸人とかミュージシャンを目指しているとか分かりやすい夢があれば、理解して応援してくれる女性もいるかもしれませんが、「知的生活をしたいんだ。」なんて言ったら、「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」と100%思われるでしょうね(‥;)

今から思えば「あの頃は若かったなあ・・・」と目を細めて懐かしむわけですが、当時の僕からしたら、中途半端に知的生活を目指したせいで、貴重な新卒切符は逃し、彼女にはフラれ、えらい目にあった・・・って感じでした。
そんな貧乏フリーター生活を1年くらい続けたくらいのときに、本屋さんでたまたま手に取った雑紙で「ネットでお小遣い稼ぎ」ということができるという『アフィリエイト』の特集記事を見ました。
たぶんビッグトゥモロウ的な雑紙だったと思います。貧乏生活が長くなってきて「オカネ欲しい・・・」ってなってたんでしょうね^^;

「なんかしらんがホームページを作ってアフィリエイト広告とやらを貼るとネットだけでお金が稼げるらしい。」

この記事を見たときに僕は「このアフィリエイトなるものを活用すれば、知的生活が実現できるんじゃないのか?」と思いました。
つまり、自分の好きなことや興味のあることに関して、本を読んだりして研究する。その成果をホームページに掲載する。そこに広告を貼っておくことでお金を稼げる。
これで生活できるなら、わざわざ大学教授になんてならなくても「自分の好きな場所に住んで、好きな時間に起きて、好きなテーマについて思索に耽る」という暮らしができると夢見たわけです。

時代はちょうど孫正義さんのYahoo!BBがADSLモデムを街中で無料配布していて、一般家庭にもブロードバンドが広がりつつあるときです。
早速住んでいた安アパートに電話線を引き、Yahoo!BBに加入して、ブロードバンド環境を整え、ホームページをせっせと作り始めました。

ですが、当然ながら素人が一朝一夕で作ったようなホームページで、しかも世の中のニーズなどマーケティング的なことを何も考えず、ただ自分の都合で自分の好きなことを書いただけのホームページでお金なんて稼げるわけもなく、生活できるお金なんて稼げませんでした。
多い月で2万円くらい、少ない月はゼロという日々をたぶん2~3年続けたと思います。

【自分の人生をかけて取り組んだ物事に結果が付いてこない】
こういうときにどういう行動に出るかってけっこう人生の分かれ道だよな~、と僕は思っています。

・それでも最初の方向性のまま愚直に続ける人

・臨機応変に方向性を変える人

どちらがいいのかどうかは僕には分かりません。
その人のパーソナリティ-や運・タイミングもあるでしょう。

僕は後者の「方向性を変える人」でした。

これまでの自分の興味関心を中心として知的生活をするために取り組むスタイルではなく、アフィリエイトサイトの運営をビジネス(事業)として捉え、知的生活のことは一旦忘れて、お金を稼ぐことに集中する。

知的生活をするために始めたアフィリエイトでしたが、アフィリエイトで成功するために知的生活を捨てるという選択をするわけです。
まずはアフィリエイトで成功して生活に余裕が出てから、本来の目的に戻ってこようと思ったわけです。

このときにあくまで最初の方向性のまま自分の興味関心を中心としたサイト運営を続けていればどうなったかは分かりません。
もしかしたら1円も稼げず知的生活どころか日々のご飯を食べることもできなかったかもしれません。
逆に、そのテーマの第1人者となり見事に好きなことで生活していたかもしれません。

余談ですが、いま、ブログ書いて生活したいぜ!というブログ飯なるものが流行っていて、ブログには自分の好きなことを書くべきだ!とか、いやお金を稼ぎたいなら人の役に立つ記事を書くべきだ!みたいなブログ論がたまに盛り上がってます。

僕自身は特別なセンスのない凡人でもうまくいきやすいのは、人に役立つ記事を書く方向だと思っていますが、自分の好きなことを書き続けた人がうまくいかないかというと、それは分かりません。
世の中には愚直に続けて花開く人もたくさんいるので。

それに今はソーシャルもあるし、Googleのアルゴリズムも進化したし、AdSenseもあるし、好きなことを愚直にサイトに書き続けることでうまく可能性はアップしたと思います。

人生は進んでいく

そんな感じでアフィリエイトを事業として捉え、仕事として取り組むようになってからは割と順調に収益を伸ばすことができ、それから1~2年くらいでアフィリエイト収入だけでご飯を食べられるくらいになりました。

で、稼ぐ金額が増えてくると不思議なもので、さらに稼ぎたくなってくるんですよね。
最初は月10万円稼げるようになってめっちゃ喜んでたのに、月30万円稼げるようになって「よっしゃ会社辞めたれ!」ってなって、月100万円を超えてくると、次は300万だ!500万だ!とどんどん目標が上がっていき、その当時はリアルに「億万長者に俺はなる!」と思っていました。

友人をパートナーとして迎え入れ、2人で一緒に会社を拡大させていくぜ!とノリノリになっていた時期でした。
この頃には大学生の頃に憧れた「知的生活」なんてものからはまったく興味を失っていて、それよりもサイト運営、アフィリエイト、ウェブマーケティング自体がすごく面白くなっていました。

貧乏な学生時代には本をたくさん読みたくてもお金がなく、古本屋に通い厳選して本を買っていて、働いてお金を稼げるようになったらもっと本をたくさん買って読むんだ!と思っていましたが、実際にお金を稼げるようなった頃には、学生の頃に欲しかったような本からは既に興味を失っていました。

やりたいことや欲しいものは、そう思ったその時に始めたり手に入れようと努力しないと必ずいつの間にか自分から消えてなくなる

何かが欲しい、という思いをキープするのは、その何かが今の自分にはないという無力感をキープすることで、それはとても難しい
ラブ&ポップ―トパーズ」村上龍

やっぱり『知的生活』始めます

結果的には、友人とはそりが合わなくなり別れることになり(まぁ友だちと商売やっちゃダメだよね。)、Googleさんの鉄槌(アップデート)によって売上とやる気を落とされ、億万長者にはなれずにいまは細々とやっている感じに落ち着いています。

冒頭のアフィリエイターさんとの会話で「自分の本当にやりたいこと」って何だろう?って考え、アフィリエイトを始めることになったきっかけとか、子供のときから高校、大学、フリーター時代、派遣社員・契約社員時代、独立後とか色々思い出す作業をしてみました。

そして、貧乏な学生時代に憧れていた『知的生活』を、いまやろうと思えばできるじゃん。と気づいたわけです。

「何にも邪魔されない自分専用の空間(書斎)で、ゆったりとした自由な時間のなかで、読書をして、色々な物事を自分の頭で考える。さらにそれらの考えを自分でも書いたりしてアウトプットする。そのような文化的に豊かなライフスタイル」です。

・僕はいま自宅で1人で仕事をしているので時間の使い方は自由です。(10ヶ月の子供がいるので完全な自由ではありませんが。)
・アフィリエイトは基本的にネットがあればできるのでどこに住んでいても仕事できます。
・いまのマンションは3LDKで1室が僕の仕事部屋なので書斎みたいなもんです。
・色々な思索を発表する場としてこのブログがある。(アドセンスを貼っているのでテーマが制限されるのが課題)
・収入は全盛期よりは落ちたとはいえ、いまのところ生活はできる程度で安定している

こんな感じでいつの間にやら環境が整っておりました。

まだ学生や大学院生で、空間に手が出ない人はどうするか。その場合は空間への関心を一日たりとも忘れずに、理想的な知的空間を所有している自分を夢として描き続けることだ。
「自分ならこんな知的空間が欲しい」とグラフ用紙に画いてみるのもわるくない。
しかし大部分の人はそのうちそうした関心を失ってゆく。
しかしその夢を持ち続けた人は、結局それを獲得する公算がすこぶる高いのである。P153

自分の中から知的生活への夢は消えたのだと思っていましたが、もしかしたらずっと心の奥にはあったのかもしれないですね。

そんなわけで今後は、色々な本を読んだりして自分なりに色々と考えたことをつらつらと書き綴ったような記事も増やしていきたいと思っています。

もちろん、セミリタイヤしてお金のことを気にせずに生活できるような身分じゃないので、PVや収益を追う記事も書いたり、アフィリの仕事もがっつりしながらとはなりますけどね^^;

てか、目的に応じてブログを分離した方がいいのかな~。
ちょっと手探りではありますが、とりあえず知的生活をはじめていきたいと思っております。

知的生活、知的生活って何やねん!という方は、ぜひ渡部昇一先生の知的生活の方法を読んでくださいな。名著でっせ。

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