「高速道路の先の大渋滞時代」におけるアフィリエイター&ブロガーの生存戦略

少し古い本になりますが、2006年初版のベストセラー「ウェブ進化論」(梅田望夫)で、羽生善治さんが将棋界に起きていることとして語った興味深い言葉が紹介されています。

ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走りぬけた先では大渋滞が起きています。

これは将棋界に限ったことではなく、ブロガー界、アフィリエイター界でも同じような状況となっています。
少し前までは『アフィリエイトで稼ぐノウハウ』なんてものはそれほど体系化されて出回っておらず、みんなそれぞれが手探りで試行錯誤しているような状況でした。

僕がアフィリエイトを始めた2003年頃には「アフィリエイトで稼ぐぜ」みたいな本はほとんど出版されておらず、2004年頃に出版された藍玉さん(小林智子さんん)主婦もかせげるパソコンで月収30万―ホームページの新ビジネス・アフィリエイト体験記とか、和田 亜希子さんのホームページが楽しくなる!アフィリエイト徹底活用術が初めてのアフィリエイトのノウハウ本だったんじゃないかな~と思います。

それから10年以上経ち、Amazonで試しに「アフィリエイト」と検索してみると、545件の書籍がヒットします。
(EC運営者とかの広告主向けにアフィリエイトを販促に活用しようという本も混ざっているでしょうが)そのほとんどが「アフィリエイトで稼ぐためのノウハウ本」です。

本だけでなく、アフィリエイトのノウハウを教えるような情報商材とか塾とか、最近だとサロンとか、世の中はいわゆるアフィリエイトで稼ぐノウハウで溢れています。

(一部、詐欺的な情報商材や塾とかもあるものの)書いてあることはなるほどその通りで「アフィリエイトで稼ぐための一定のノウハウ」をいまの時代は簡単に手に入れることができます。

ブロガー界でも同じです。
最近ではブロガーのためのブログ論を書くブログ記事も多いので、「僕が○ヶ月で○PV集めた方法」なんて記事がたくさんあります。

だれでも簡単に、アフィリエイトで稼ぐノウハウ、PVを集めるブログ運営ノウハウを手に入れられる時代です。
アフィリエイトで稼ぐための高速道路、プロブロガーになるための高速道路がきれいに敷き詰められているわけです。

その結果何が起きているかというと、羽生さんの言う「高速道路の先の大渋滞」です。

Googleの検索結果は、同じような口コミレビューブログや比較ランキングサイトなどのアフィリエイトサイトで埋まり、どこかで見たことのあるようなライフハック記事を書くブログが量産されています。

資本主義社会において得やすいものの価値は限りなく低下していきます。

資本主義社会という仕組みは、「得やすい」ものの価値を限りなく下げる仕組みでできています。
それが基本構造です。
例外は確かにありますが、基本構造はこの仕組みでできています。
したがって、「得にくい」ものの価値は高まり、「得やすい」ものの価値は下がる。
成功はどこからやってくるのか? ~「成功法則」の取扱説明書~』岡本吏郎

誰もが簡単にアフィリエイトで稼ぐノウハウを手に入れられる時代になり、その価値は急速に低下してます。
みんなが同じようなノウハウを手に入れ、高速道路に乗り目的地に向かって突っ走って行った結果、高速道路の先で大渋滞に捕まっています。

この「高速道路の先の大渋滞時代」にどうすべきかという視点を持つことが重要だと思います。

渋滞を抜けるには?

これにはいくつかの方法論があります。

ひとつは他人よりもスピードを出して渋滞の先へすり抜ける方法です。

ウェブの世界はリアルの高速道路と違い、渋滞時でも前を行っている車をどんどん追い越すことが可能です。
つまり、他者の力を借りて、通常、1馬力しかないところを、2馬力、3馬力、10馬力という風にスピードを増やすことで渋滞を抜けるわけです。
これは社員やアルバイトを雇って組織化したり、外注を活用したりという方法が考えられます。

もうひとつは、高速道路を降りてしまう方法です。
別に諦めるということではありません。
高速道路が渋滞しているときはあえて下道を行った方が早いなんてことも多々あります。
また、高速道路の渋滞でイライラしながら進むよりも、下道で色々な景色を見たり、寄り道をしながらドライブを続けた方が楽しいんじゃない?ってことも言えます。

道路もなければ、てくてく歩いていくしかないと思えるけど、目の前に高速道路があったら、みんなそれに乗って、どんどん、先に行っちゃう。でも、本当にその先にすごくいいものがあるのかというと、実はゆっくり行ったほうが楽しいものが見えるんじゃないか、と思ったりもします。『勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント』白石 康次郎・羽生 善治

高速道路は分岐もあるにせよ基本的に一本道なので、道のりが分かりやすく道に迷うことも少ないでしょう。
逆に見知らぬ土地の下道は道路がごちゃごちゃ入り組んでいて、細い道に迷い込んだと思ったら行き止まりだったりと迷ってしまう可能性もあります。

ですが、いまの「高速道路の先の大渋滞時代」に生き残っていくには、僕はあえて下道を選ぶ『覚悟』が必要なんじゃないか?と考えています。

大渋滞の先でサバイバルするには、大渋滞を抜けようと「高く険しい道」を目指すか、大渋滞にさしかかったところで高速道路を降りて道標のない「けものみち」を歩いてゆくのか、2つの選択肢があると私は思う。そのどちらの道を目指すにせよ、自らの「向き不向き」と向き合い、自らの志向性を強く意識し、「好きを貫く」ことこそが競争力を生むと私は考える。『ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)』梅田望夫

一昔前までは、「会社を辞めてアフィリエイター・ブロガーとして生きていく!」ということ自体が、高速道路を降りて「けものみち」を行くことでしたが、最近では、情報が豊富になったこと、取り組む人が増えてきたことによって、その道でさえ整備され高速道路と化し渋滞が起きています。

そんなときにみんなと同じノウハウ本を読んで、みんなと同じようなサイトを作っていては、いつまで経っても渋滞から抜けることはできません。

『好き』を極める覚悟

ここで、じゃあアフィリエイター・ブロガーにとって、下道を行く(けものみちを行く)とはどういうサイト・ブログを作るということかいうのは、それぞれの人によって異なるためどんなサイトがいい!と言うことはできません。
ていうか僕も模索中でまだよく分かりません^^;

ですが、ひとつだけ言えるのは<『好き』を極める覚悟 >が重要なのではないかということです。

ここで言う『好き』とは、「好きなことをやって暮らせたらいいね~。」みたいなのんびりした話ではなく、「好きなことを徹底的に極めるくらいの覚悟を持ってサイト運営をしないと競争に勝てない。」という切実な問題です。

僕が「好きなことを貫く」ということを、最近、確信犯的に言っている理由というのは、「好きなことを貫くと幸せになれる」というような牧歌的な話じゃなくて、そういう競争のなかで、自分の志向性というものに意識的にならないと、サバイバルできないんじゃないかという危機感があって、それを伝えたいと思うからです。『私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)』梅田望夫

朝から晩まで徹底的に「脱毛」について調べて、考えて、体験している人が作るコンテンツに、脱毛に特に興味のない素人が、適当にネットで検索して調べたり、本を買ってきて勉強した程度で書いた記事は太刀打ちできません。

「好きを究める」とは「モンスターになる」ということ

もう数年前の話になりますが、2010年にデジタルハリウッド大阪で開催されたGIGAZINEの運営者である山崎恵人氏が行ったセミナーに行ったことがあります。
セミナータイトルは「なぜあなたのサイトに人が来ないのか? 集客力を飛躍的に向上させるGIGAZINE10年間のノウハウをついに初公開!」というもので、GIGAZINEの中の人が10年間サイト運営を続けてきた中で得たサイト集客のポイントを話すというもの。

昨日19時から21時、デジタルハリウッド大学院大阪キャンパスにてGIGAZINE10周年記念講演「なぜあなたのサイトに人が来ないのか?」というのを行いました。印象的だったのが会場参加者のスマー

その中で、挙げられていたポイントは以下の5つ。

1:毎日、同じ時間に更新する

1日1記事ではなく1日に複数記事を更新する。
しかもかならず毎日同じ時間にアップする。
セミナーでは1日3回、9時、12時、20時とか時間を決めて毎日アップしていると言ってました。(時間はちょっとうろ覚え)
(※当時はまだ一人で運営されていたと思うので3記事でしたが、いまはスタッフもいるのでもっと更新回数は増えています。)

2:徹底的にユーザビリティーを意識したデザインとレイアウト

広告の配置とか、最新記事一覧の配置とか、サイト全体のレイアウトとかで、リピーターを確保し、収益を最大化するために徹底的にユーザビリティーを意識したデザインとレイアウトを研究しているとのこと。

3:徹底的にユーザビリティーを意識した色

長時間見ていても目が疲れないような文字色と背景色。
Googleやbingの文字の色の研究についてのお話。
色は超大事とのこと。

4:サーバー強化

とにかく莫大なアクセスをどれだけ早くさばけるかというのが最も重要。
サーバーやCMSを自作して徹底的にサーバー落ちをなくし、レスポンスの早さを改善してきたとのこと。
サイト運営とはサーバーとの戦いである的なことを言ってました。

5:遊びと仕事の垣根を破壊する

毎日、あの濃さの記事を複数更新するために徹底的に情報収集し記事を書き、サーバー管理もし、ユーザビリティーを改善し続ける。
『仕事』とか『遊び』とかそんな概念は超越し、自分の人生すべてをGIGAZINEに捧げている。
山崎さんは自分も含めてそんな人のことを「モンスター」と呼んでいました。
莫大なアクセスを稼ぐウェブメディアってのは、だいたいにおいて、中にこのようなモンスターが1人か2人いて運営を担っているそうな。

で、当時、このセミナーに参加した僕の感想は、「とても真似できん・・・。」でした^^;
この衝撃は実際に参加した人じゃないと伝わらないかもしれませんが、自分の人生すべてをGIGAZINEというサイト運営に捧げている人のオーラというか熱量がものすごいんです。
「あ~、たしかにこりゃモンスターだわ。」という感じ。

セミナーの結論としては、『サイト集客に成功したいならモンスターになれ!」ということで、当時の僕の感想としては「いや真似できねえよ!」って感じだったわけですが、

時代は流れ2015年・・・。

今後、アフィリエイター業界やブロガー業界でずっと生き残っていくには、自分もモンスターにならないと淘汰されていってしまうのでは?と思うわけです。
恐らくですが、望むと望まざるに関わらずGIGAZINEの中の人のようなモンスターというのは、アフィリエイターやブロガーにもこれからどんどん出てくると思います。(てか既にいる。)

そのような人たちと闘うわけなので、自分もモンスターにならないとあっさり食われて負けてしまいます。
別に薄毛に悩んでいるわけじゃないけど、育毛剤のアフィリが儲かると聞いて、適当に調べて記事を書いているアフィリエイターと、切実に薄毛に悩んでいて、育毛について徹底的に研究して、取材に行き、体験し、コンテンツを書いているアフィリエイターとどっちが強いかって話なんです。

で、そのときに鍵となるのが、『好きを極める覚悟』だと思うわけです。
だって、自分が好きなことじゃないとそこまでできないでしょ。

徹底的に『好き』を追求して究めた人が作るコンテンツからは圧倒的な匂いが漂ってきます。
その人しか作れない独特の空気です。
それがいわゆる「コンテキスト」だと思います。

これからの時代、「人からどう思われようが、自分が心の底から思っている美学・哲学を素直に、誠実に情報発信出来る人」が八方美人的な人よりも圧倒的に強くなると思います。3年後に生き残るアフィリサイトを考えてみた① – たかぽんアンテナ

そんなわけで頑張っていきましょ~。

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