自分を守ってくれる共同体がなくなった社会でどう生き残るか

公開日: : 最終更新日:2014/09/25 読書

ゆとり世代ってありますよね。
定義的には、1987年4月2日-2004年4月1日生まれのいわゆるゆとり教育を受けた世代のことをいうようです。

よくテレビとかネットとかでも『ゆとり社員の驚愕エピソード』みたいな感じで紹介されて、嘲笑の的になったりしています。

たとえば、

  • 「頼んでおいた資料が出来上がっていなかったので理由を聞いたら、『失恋したからつくれませんでした』と言われました。」
  • 週明けに提出する顧客向けの資料ができていないので休日出勤をお願いしたら、『俺は土日をエンジョイするために仕事をして金を稼いでいるので、土日に出勤するなんて生きている意味がない』と言われました」
  • 職場に配属間もない新入社員が始業時間より20分ほど遅刻して、『すみません!』と焦った表情で職場に駆け込んできたのですが、なんとその彼女の手には通勤途中で買ったスターバックスのコーヒーが……。」
  • 「直属の上司に怒られるごとに、1時間トイレにこもる新人がいました」

引用元:「ゆとり社員」に困惑する職場が急増?私生活優先、礼儀知らず、怒られるたびにトイレに… | ビジネスジャーナル

ウソかホントか分かりませんが、たしかに「うわぁ・・・」という感じのエピソードもあります。

でも、なかには「それはそうだろ。気持ちは分かる。」ってのもあります。
(ちなみに、僕は1978年生まれなので、ゆとり世代ではなく、就職氷河期世代(失われた世代)です。)
参考)世代-Wikipedia

たとえば、「会社の飲み会への参加に残業代が出るのか聞いてきた。」ってエピソードがありますが、僕はその気持ちは分かります。
だって、会社の飲み会なんて、下っ端の社員からしてみれば仕事みたいなもんですよ。
上司に気を遣ってお酒をついだり、上司のトークが盛り上がるように相づちを打ったりして、自分自身は友人と飲みに行ったように気楽に酔っ払うなんてことはできません。

そりゃ「給料出ますか?」って聞きたくもなると思います。

会社が守ってくれた時代と会社は守ってくれなくなった時代

戦後の焼け野原から高度成長期に入り、日本はものすごい勢いで発展してきました。
その過程で『会社』という強固な共同体の仕組みが出来上がっていきました。

高度成長で会社はどこも大きくなって、豊かになりました。
そのお金でたくさんの社員を雇って、終身雇用と年功序列、つまり「定年までずっと雇ってあげるし、いったん新卒で入社すれば仕事のできが悪くてもちゃんと昇進させてあげるよ」というなんとも素敵な仕組みをつくり、それに社宅や社内結婚や社内のサークル活動なんかを整備して、それでみんな会社の同僚と「一生いっしょだぜ」と仲間意識を感じるようになって、不安を感じないですむようになったんですね。(引用元:自分でつくるセーフティネット 佐々木俊尚

こういう時代なら自分の人生は共同体の中ででうまくやっていれば、多少、ムラ社会的な息苦しさはあるけれど、自分の人生は安泰で安心できる。こういう時代です。
そりゃ会社の飲み会くらい喜んで参加しますよ。

しかし、バブルがはじけて長い不景気の時代がやってきます。
安泰と思われていた大企業でも倒産やリストラをし、アルバイト・パート・契約社員・派遣社員など、正社員ではないいわゆる非正規雇用の割合が1990年代から急激に増え始め、2013年では労働者の36.7%が非正規という時代になっています。

いくら自分の人生を会社に捧げても、会社は自分の人生を丸ごと面倒見てくれない。
そんな時代に、プライベートな時間と労力を割いて会社の飲み会に参加する意味を感じられない、というゆとり社員の気持ちも理解できます。

守ってくれる共同体が崩壊した時代でどう生き残るか

勝ち逃げしているのは「正社員のままで定年まで残れた一部の中高年だけです。中高年のサラリーマンでもリストラされてる人は、当たり前ですけど勝ち逃げできていません。若者だって全員が負けているわけじゃなくて、終身雇用を維持してる大企業や公務員なんかに就職できた人は、当面は勝ち組ですよね。
だからこれは世代で分けるような問題じゃないんですよ。「中高年と若者」じゃなくて、「正社員になれた人と、正社員になれなかったり正社員の立場を奪われた人たち」という分断の問題だ、ってことなんです。
そして正社員になれた勝ち組だって、未来は安泰じゃない。リストラされるかもしれないし、会社が潰れることだってある。(引用元:自分でつくるセーフティネット 佐々木俊尚

かつての古き良き時代には、『自分の人生を丸ごと守ってくれていた会社という共同体』が、『崩壊』した時代に、僕たちはどうやって自分の人生を守っていけばいいのでしょうか?

佐々木俊尚さんは、Facebookを活用し、自分の生活をさらけ出し、様々な世界で生きている人々と「ゆる~いつながり」を作ること自体が、これからの時代を生きて行く上での「セーフティネット」となると説きます。
さらに、悪意も善意も筒抜けになる総透明化時代のなかで、これまでは損するとみられていたいわゆる『いい人』であることそのものが、これからの時代を生きる重要な戦略となると言います。

リストラや倒産におびえている中高年の方
非正規雇用で働く若者の方
Facebookの本当の活用の仕方が分からない

などの方にこそぜひ読んでほしいなと思える本でした。
会社という安心の仕組みが崩壊して、自分自身で自分の面倒を見なければいけなくなった時代に、どういう生存戦略を持って生きるのか。ということを考えさせられます。

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