もう『誰でも・簡単に・楽して・儲かる方法』を探し回るのはやめよう!そんなものに価値はないよ。

徒然なるままに

一昔前に比べていまは、資金力や技術力がないただの『個人』でもネットを活用して、お金を儲けることが一般的になってきました。

その方法も多種多様です。
アフィリエイト、YouTube、オークション、せどり、輸出入物販、PIXTA(写真販売)NOTE(コンテンツ課金)、クラウドソーシングなどなど・・・。

それと同時に、『(それらの方法で)お金を稼ぐ方法を教えますよ。』という塾や情報商材の販売などが氾濫するようになってきました。

それら塾や情報商材の多くに共通しているのが、【初心者でも、素人でも、パソコンに詳しくなくても、誰でも・簡単に・楽して・儲かる!】というフレーズです。
塾や情報商材だけでじゃなく、街の本屋さんにも「かんたんアフィリエイト」なんて本が並んでいたりして、とかく『誰でも簡単にできるんだよ。』というアピールが非常に目立ちます。

これは単純に、そうやって簡単さや誰でもできる感をアピールした方が売れるからです。

多くの人は、
難しくてややこしいものよりも、簡単でシンプルなものを、
苦しい道よりは楽な道を、
才能ある一部の人間にしかできないことよりも、自分のような一般人でも誰でもできることを、
など、簡単で楽なものを選択する傾向があります。

ですが、こと「お金を稼ぐ」という行為において、『誰でも・簡単に・楽して・儲かる』ということはあり得ません。
もし端から見ていて簡単に楽して儲けているように見えても、その裏には、簡単に楽して儲けるための『仕組み』を、ものすごい労力・知恵・お金・時間などを使って構築しているからそう見えるだけです。

それはこの資本主義社会の摂理です。

資本主義社会において、モノの価値は需要と供給の関係で決まります。
欲しがる人(需要)よりも商品の数(供給)が多ければ価値は下がるし、逆の場合は価値は上がります。

そこらのコンビニで誰でもいつでも買えるボールペンの価格は安いですが、
この店でしか買えず、日本中から注文が殺到し、半年待ちになっているオーダーメイドの万年筆の価格は上がります。

100円なら買うけど、150円ならいらない。
10万円出してでも半年待ってでも欲しい。

そんな需要と供給のせめぎあいは多くの人が経験したことがあるでしょう。

これはモノの価格だけでなく、『儲ける』という行為そのものにも当てはまります。

資本主義社会という仕組みは、「得やすい」ものの価値を限りなく下げる仕組みでできています。
それが基本構造です。
例外は確かにありますが、基本構造はこの仕組みでできています。
したがって、「得にくい」ものの価値は高まり、「得やすい」ものの価値は下がる。
なんと美しい構造でしょうか!

そして、「楽して儲かる」ならば、その「儲かる」の価値は限りなくゼロに近づく。
もし、それが価値を下げないとすれば、それは「楽する」ことに相当数の「努力」をしている場合に限られます。
岡本吏郎 『成功はどこからやってくるのか? ~「成功法則」の取扱説明書~』

たとえば、仮に「誰でも簡単に楽して100万円稼ぐ方法」が実際に存在していたとしましょう。
確かに、一番最初にこの方法を構築・実現した人は100万円儲かるかもしれません。

しかし、「誰でも簡単にできる」が故に、この方法を多くの人が使い始めます。
誰でも簡単に100万円儲かるのだからやらない手はありません。

ですが、これにはそもそも矛盾があります。

資本主義の摂理でいうと、多くの人がその方法に手を出した結果、「100万円稼ぐ方法」の価値は限りなくゼロに近づいていきます。
ものすごく単純化して言うと、「100万円稼ぐ方法」を100人が実行した場合、1人の取り分は100万円÷100人で1万円となり、1000人が実行した場合1000円です。

つまり、「誰でも簡単に楽して100万円稼ぐ方法」というものは、この資本主義社会においては、存在することができません。
その方法が世に出た時点で、その価値は低下していくからです。

『楽して稼ぐ方法』を追い求めるよりも、『価値』を高める努力をしよう。

「ネットでお金を稼ぎたいけど、じゃあどうすればいいのよ?」ってことですが、話は単純で、『価値』を高めるしかありません。
資本主義社会において、「得やすい」ものの価値は下がり、「得にくい」ものの価値は上がるわけですから、「得にくい」ものを構築していくしかありません。

たとえば、アフィリエイトで稼ぐことを例にすると、

誰でも簡単に思いつき、コンテンツ作成も簡単、初心者でも稼ぎやすいということで、商標キーワード(商品名やサービス名などの固有名詞)でサイトを作る人が多数います。
例)「プロアクティブ 口コミ」とか「銀座カラー キャンペーン」とかそんな感じ。

一昔前までなら、商標キーワードでサイトを作れば稼げる!という情報がそこまで広まっておらず、ライバルも少なかったため簡単にGoogleで上位表示できて稼げた時代もありましたが、最近では、商標キーワードでサイトを作れば稼げる!という情報が広まりすぎて、その手法に手を出す人が多すぎ、いまは商標キーワードで稼ぐのは昔よりも非常に難しくなっています。

これなんかは「得やすい」がために価値が低下した典型的な例ですね。

商標キーワードで検索する人って、そのモノを買うことをほぼ決めている人なので、成約までの距離が非常に近く、適当に作ったコンテンツでも成約率が高かったりするわけです。
極端な話、「銀座カラー キャンペーン」で検索してきた人に、「銀座カラーのお得なキャンペーン申し込みはこちらです。」っていうテキストを書いとくだけで、アフィリエイト広告をクリックして申し込みまで行く率はかなり高かったです。

だからアフィリエイトを始めたばかりの初心者の方でも、商標サイトをさくっと作って、運良くSEOに成功して上位に出せれば、すぐに結果が出たりしたものです。

ですが、現在はこの手法に手を出す人が多すぎて、
・ライバルが多すぎてSEOで上位表示ができない。
・広告主が喜ぶ売り方じゃないので、商標サイトを禁止する広告主が増えてくる。
・お客さんの検索リテラシーの向上により、適当に作ったコンテンツでは成約が難しくなってきた。
などの理由で商標キーワードで稼ぐ手法はかなり難しくなっています。

っとまあ、こんな感じで『誰でも・簡単に・楽して・儲かる』という方法は、一時的には稼げるかもしれませんが、すぐにライバルが増えてきて、その手法の価値はどんどん下がっていくということになります。

ですので、本気でネットを活用して稼ぎたい!という場合、安易に『誰でも・簡単に・楽して・儲かる』方法を探し回ったり、手を出したりするのではなく、『自分にしかできず、真似するには難易度が高く、めっちゃ労力をかけて、儲かる方法』をあえて選ぶことが、結果的に成功する道なのだと思います。

アフィリエイトでいうと、
・それは、自分自身やサイトをブランディングしてファンを作ることかもしれません。
・それは、非常に高度なSEOテクニックや仕組みを構築することかもしれません。
・それは、検索ユーザーの見えないニーズまでもくみ取って、ソリューションを提供してあげられるキーワード選びとコンテンツ作成力かもしれません。

やり方は色々あるでしょうが、共通しているのは『他人が安易に真似できない。』という点です。
他人が安易に真似できないということは、参入者が増えすぎて価値が低下することを防ぐことができます。

よく言われるいい方をするなら、『参入障壁を築く。』ということです。

利益とはライバルが参入するまでの時間である。

これは有名なコンサルタント・アナリストである勝間和代さんの言葉ですが、ここまで読んでくれたあなたにはこの言葉の意味・重要さがズシンと心に響くのではないでしょうか?

誰でも簡単にできる手法というのは、すぐに価値がなくなります。
だからこそ、安易にライバルが参入できないように、できるだけ高い参入障壁を作ることが利益を生み出すことに繋がります。

世の中に氾濫している『誰でも・簡単に・楽して・儲かる』という情報には価値はありません。
それよりも『得にくいもの』にこそ、本当の価値があり、長く利益をもたらしてくれるものとなります。

安易な誘惑に踊らされずに、価値を高めることに貴重な時間・お金・労力を使うようにしていきたいですね!

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