イランアメリカ大使館人質事件を元にした映画『アルゴ』が面白かった。

映画

先日、スカパー!でやっていて録画していたアルゴを見ました。

ドキドキハラハラの展開で面白かったのでご紹介します。

時代背景とあらすじ

argo

イラン革命中の1979年11月に起こったイランアメリカ大使館人質事件を元にした実話となっています。
(色々と演出のために脚色した部分も多いようですが。)

当時はアメリカとソ連の冷戦まっただなか。
地理的にソ連のすぐ南に位置し、石油利権の存在するイランにアメリカが干渉し、親米政権であるパフラヴィー朝を樹立させます。
パフラヴィー皇帝は、近代化の名の下に、アメリカの援助を受けながら、ヒジャーブ着用の禁止 、農地改革、女性参政権などイランの欧米化政策を強引に推し進めていきます。

その強引な手法は、イスラム文化が色濃く残っていたイラン人の反発を招きますが、秘密警察により弾圧し、イスラム勢力を強引に排除していきました。

ただし、その強引な弾圧に反発する民衆たちが各地でデモや暴動を起こすようになり、鎮圧しようとする軍隊と衝突し、多数の死者を出すようになり、ますます暴動は激化。
暴動を抑えきれなくなったパフラヴィー皇帝は国外へ亡命し、パリへ亡命していた反体制派の指導者ホメイニーが帰国、ホメイニーを中心にイスラム共和国の樹立を宣言、イラン革命が成立します。

しかし、その後、イラン国外を転々としていた元国王パフラヴィーが、癌の治療という名目でアメリカへの入国を要請。
アメリカは人道的見地からという名目で入国を許可します。

アメリカの傀儡政権による弾圧によって、多数の犠牲を出していた恨みのあるイラン民衆はこの行為に激怒。
イスラム法学校の学生を中心に、テヘランにあるアメリカ大使館を襲撃・占拠し、大使館の職員らアメリカ人52人を人質として拘束。
パフラヴィー元国王の身柄引き渡しを要求します。

アメリカ大使館襲撃の際、大使館職員6人が拘束される前に脱出に成功し、カナダ大使の私邸にかくまわれます。
しかし、逃げたことがばれて、捕まってしまえば、恐らく公開処刑されてしまう。

なんとかしてイラン国外へこの6人を救出しなければならないと考えたアメリカは、CIA工作本部技術部のトニー・メンデスを中心に、『アルゴ』という架空の映画撮影プロジェクトを立ち上げ、その撮影のためのロケハンという名目でイランへ入国。
職員6人を、監督、美術監督、脚本家などカナダ人の映画制作スタッフとして身分偽装し、空港から出国させて救出するという計画を立てます。

果たしてこの大胆不敵な救出計画はうまくいくのか?

最初から最後までドキドキハラハラしっぱなしで見終わるとどっと疲れる

最初は軽く時代背景の説明から始まり、アメリカ大使館前を取り囲むデモ隊のシーンとなります。
このシーンが非常に鬼気迫っており、いきなり緊張感がマックスとなります。

その後、アルゴ計画の準備シーンでは、一旦おだやかな感じとなりますが、トニー・メンデスがイランへ入国してからは、緊張感マックスのシーンが連続でハラハラしっぱなしとなります。

公開処刑されたと思われるクレーンに吊されたアメリカ系?の男性
バザールに連れ出された7人を取り囲むイラン人たち
シュレッダーされた大使館職員の顔写真をつなぎ合わせる子供達

とりわけクライマックスの革命防衛軍にアラビア語でなんて言われているか分からず、別室に連れて行かれて詰め寄られるシーンでは、結末はうまくいくって分かっていてもドキドキでした。
最後に、イラン領空を抜けたという機内アナウンスがあったシーンでは、僕まで『ふ~』と息を吐き、どっと疲れが押し寄せてきました(笑)

ドキドキ・ハラハラできる映画が観たいな~という方には超おすすめです。

あと、エンドロールを見てびっくり。
トニー・メンデス役のベン・アフレックが監督やってました。
ベン・アフレックって監督やってたんですね!びっくり。

アカデミー賞の作品賞・脚色賞・編集賞
ゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門)・監督賞
を受賞しています。

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