妊娠中だけでなく授乳中にお母さんが食べたものや飲んだものも母乳に移行するので、ミルク混合や完全母乳の場合は母親の食べ物・飲み物にも気を遣わないといけませんね。
いい母乳が出るように乳質の良くなる食べ物・悪くなる食べ物一覧は以下ページにまとめてあります。
今回はその中でも特に『コーヒー』にスポットを当てて、授乳中にコーヒーを飲んでもいいの?どんな影響があるの?なんてことを考えてみたいと思います。
授乳中のコーヒーってどんな影響があるの?
うちの妻も僕も妊娠・出産前から大のコーヒー好きで、近所にヒロコーヒーっていうおいしいコーヒー豆を売っているお店があるので、そこでいっつもちょっといいコーヒー豆を買っていて、コーヒーライフを楽しんでました。
妻が妊娠・出産を経て、育児をすることになった過程で、『コーヒーって妊娠中や授乳中に飲んではいけない』ってよく聞くけど、実際のところどうなの?かなりのコーヒー好きなので、それはただの迷信で実は飲んでもいいってんなら飲みたいんだけど!って感じで、コーヒーについて色々調べてみました。
カフェインによる影響
コーヒーを授乳中に飲んではいけないという理由で一番よく挙げられるのが、『カフェイン』ですね。
そもそもカフェインって何なんでしょうか?
カフェインとは?
Wikipediaによると、
アルカロイドの1種であり、プリン環を持ったキサンチンの誘導体として知られている。1,3,7-トリメチルキサンチンとも呼ばれる場合がある。ヒトに対しては、興奮作用を持つことが知られている。http://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン
はい。分かりませんね。
まずアルカロイドってなんだよ。
窒素原子を含み、ほとんどの場合塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称である。http://ja.wikipedia.org/wiki/アルカロイド
はい。もっと分からなくなりました。
とりあえず、カフェインってのは植物から抽出される天然由来の有機化合物で、脳神経系に作用して興奮作用をもたらす物質ってことですね。
ちなみに初めて分離抽出されたアルカロイドは、ケシ(アヘン)から抽出されたモルヒネだそうな。
カフェインの作用
覚醒作用
中枢神経を興奮させることによって覚醒させる作用があります。
これはよく知られていますね。
眠気覚ましのコーヒーとか夜、寝る前にコーヒーを飲むと眠れなくなるから飲んではいけないとかね。
利尿作用
利尿作用がありおしっこがよく出るようになります。
尿とともにカルシウムや鉄分の排出を促すとも言われています。
授乳中のカフェインの影響
赤ちゃんの寝付きが悪くなる
カフェインは中枢神経を興奮させる覚醒作用があるので、赤ちゃんが興奮してぐずりなかなか寝なくなる、不機嫌になったり喜怒哀楽が激しくなるという影響が出る可能性があります。
カフェインには長期摂取を続けると耐性が出てくるという特性がありますが、赤ちゃんは耐性がなくカフェインに対する感受性が高いので影響が強くでる可能性が高いです。
また、大人の場合、カフェインの半減期は約5時間で、50%が尿とともに排出されます。
ただし、赤ちゃんの場合半減期は長くなり、新生児で約100時間、生後3~5ヶ月頃で約14時間程度かかります。
赤ちゃんの体でカフェインを消化するのがどれだけ大変かが分かりますね。
その間、赤ちゃんの肝臓に負担をかけているということになります。
カルシウム・鉄分・水分不足になる
授乳中のママはただでさえカルシウムや鉄分を意識的に摂らないと不足するケースが多いです。
コーヒーの利尿作用によってカルシウムや鉄分の排出が促されるので、意識的に多めに摂取しないとカルシウム、鉄分不足にある可能性があります。
カフェインを含んでいるのはコーヒーだけじゃないよ
カフェインは元々、コーヒー(Coffee)に含まれていることから名付けられた名称ですが、コーヒーだけに含まれているわけではありません。
ついでにカフェインを多く含んでいる食べ物・飲み物についても知っておきましょう。
カフェイン含有量の表
飲料 | 100mlあたりのカフェイン含有量(mg) |
---|---|
コーヒー(ドリップ) | 60 |
コーヒー(インスタント) | 60 |
コーヒー(エスプレッソ) | 280 |
玉露 | 160 |
ココア | 30 |
コーラ | 10 |
抹茶 | 20 |
紅茶 | 20 |
ほうじ茶 | 20 |
ウーロン茶 | 20 |
緑茶 | 20 |
玄米茶 | 10 |
栄養ドリンク | 50 |
番茶 | 30 |
麦茶 | 0 |
黒豆茶 | 0 |
杜仲茶 | 0 |
ハーブティー | 0 |
ルイボスティー | 0 |
冷えによる影響
冷えは妊婦さんだけでなく、授乳中のママによっても大敵です。
母乳は血液から作られます。
体が冷えると血液循環が悪くなるので、母乳の出も悪くなります。
ちなみにうちがかかっていた産婦人科の先生に「妊娠中にコーヒー飲んでもいいですか?」って聞いたら「1日1杯程度なら飲んでもいいけど、体を冷やすからできれば紅茶の方が良い。」と言われました。
そのお医者さんの考えとしては、カフェインによる影響は1日1杯程度など常識的な量なら気にしなくてもいい範囲なので、どっちかっていうと、カフェインよりも【冷え】を気にするべきという感じでした。
それくらい【冷え】には注意を払ったほうがいいと思います。
食べ物・飲み物には体を温めるものと冷やすものがあります。
妊活中、妊娠中、授乳中の女性は意識的に体を温める食べ物を取るようにした方がいいです。
コーヒーは体を冷やす飲み物なのであまりよろしくありません。
紅茶・ほうじ茶・ウーロン茶などの茶色系の飲み物の方が体を温めてくれます。
どうしてもコーヒーを飲みたいなら
1日1~3杯程度に抑えて
できれば1日1杯程度、多くても3杯までに抑えましょう。
1日250mg以上のカフェインの摂取は、赤ちゃんへの悪影響以前に母体にとっても危険です。
頭痛、胃痛、不整脈、心臓病などの身体的症状や、落ち着きがなくなる、不安感、短気になるなどの精神的症状を伴うカフェイン中毒を引き起こすリスクがあります。
参考)http://ja.wikipedia.org/wiki/カフェイン中毒
1日1杯程度なら気にしなくても大丈夫でしょう。
飲むタイミングに気をつける
できるだけ夕方以降はコーヒーを飲まない方がいいです。
夜、赤ちゃんの寝付きが悪くなったり、夜泣きの原因になる可能性があります。
また授乳前ではなく、授乳直後に飲むと次の授乳まで数時間空けることができ、母乳に出るカフェインの量を少なくすることができると言われています。
ただし、母乳中のカフェイン量が最大になるのはコーヒーを飲んでから約2時間らしいです。
授乳回数が頻繁な新生児期は、赤ちゃんのカフェイン感受性も高いですし、消化する負担も大きいので、できるだけカフェイン入りのコーヒーは避けた方がいいと思います。
生後3~5ヶ月くらいになれば、1日1杯、できるだけ授乳後のコーヒーならホッと一息タイムってことでいいんじゃないでしょうか?
代替え飲料も考えてみる
最近ではコーヒー好きの方でも満足できるような味の代替飲料も充実してます。
スタバなんかのカフェでもだいたいノンカフェイン(デカフェ)のコーヒーは置いてありますし、味も普通のコーヒーと同じでおいしいです。
カフェイン大丈夫かしら?と気にしながらコーヒーを飲むくらいなら、ノンカフェインのコーヒーとか紅茶とか、たんぽぽコーヒー(たんぽぽ茶)やハーブティーを取り入れてみてもいいかもしれません。
デカフェ
カフェインを含んでいる飲料からカフェインを人工的に取り除いた飲料のことで、ディカフェ、カフェインレス、カフェインフリーとも言います。
デカフェというと、一般的にノンカフェインのコーヒーのことを指しますが、ノンカフェイン飲料には、コーヒーだけでなく、紅茶やお茶、コーラなどカフェインを多く含んでいる飲料のデカフェ飲料もあります。
カフェインの抽出方法には、現在、有機溶媒抽出・水抽出・超臨海二酸化炭素抽出の3種類あります。
有機溶媒抽出
特殊や薬品(ベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタンなど、現在は安全性の面からジクロロメタンが多く使われている。)を使い、コーヒー豆からカフェインを抽出する方法です。
コストは安いですが、カフェイン以外の成分も抽出してしまい風味が落ちるのと、残留薬品の安全性が指摘されています。
日本では薬品を使ったこの方法は認可されていないため国産のデカフェは有機溶媒抽出のものはありません。
水抽出
有機溶媒の代わりに水を使うことで、有機溶媒抽出よりも安全性が高まり、風味の低下も防ぐことができる方法です。
コストも安いことから現在、一番良く利用されているようです。
水抽出にも薬品を使う方法と使わない方法があり、最近では薬品を使わない100%ケミカルフリーの水抽出法である「スイスウォータープロセス法」が人気のようです。
スターバックスなんかもこのスイスウォータープロセス法を採用しています。
参考)スイスウォータープロセスのイメージ|丸山珈琲
超臨海二酸化炭素抽出
最新の方法で、安全性が高く風味の劣化も防ぐことができる非常に優れた方法です。
ただコストが高いためまだあまり広まっていません。
たんぽぽコーヒー
厳密にいうと、タンポポコーヒーはコーヒー豆を使っているわけではないので、コーヒーではありません。
焙煎したタンポポの根から作られる飲料で、クロロゲン酸というコーヒー豆に多く含まれている成分をたんぽぽも多く含んでいるため、味がコーヒーに似ていることから、たんぽぽコーヒー、たんぽぽ茶などと呼ばれています。
根を焙煎したものをたんぽぽコーヒー、焙煎していないものをたんぽぽ茶と使い分けている場合もありますが特に表記が決まっているわけではありません。
焙煎しているかしていないかで風味が大きく変わってくるので、購入時には注意が必要です。
カフェインを最初から含んでいないのに、コーヒーと味が似ているということで、妊活中、妊娠中、授乳中の女性でも何も気にせず飲むことができるので人気です。
また、たんぽぽコーヒーはコーヒーと違って体を温める飲み物なので、冷え症対策としても効果的です。
一方、たくさんの種類の商品が出ていて、味も本物のコーヒーと遜色ないものもあれば、まったく違う味でおいしくない!というたんぽぽコーヒーもあるので、商品選びがけっこう大変です。
ハーブティー
ハーブティーにもカフェインは含まれていないので(ガラナなど一部含むものもある)、妊活中、妊娠中、授乳中に飲むのもいいのですが、ハーブティーには様々な作用があり、妊活中、妊娠中、授乳中など時期別に飲むのは良くないハーブティーもあります。
もしハーブティーを飲むなら、どのハーブがOKでどのハーブがNGなのかしっかり調べる、もしくは専門家に相談するなどしてから飲むようにしましょう。
まとめ
以上、『授乳中にコーヒーは飲んでも大丈夫?』でした。
うちの場合、生活の木のたんぽぽコーヒーを愛用しています。
いまはわが子も10ヶ月になり、離乳食も3回食になったので、以前ほど授乳回数も多くないので、たまに「今日はコーヒー飲んじゃおうかな~」と飲む日があります。
まあ、あんまり気にしすぎてもストレスになって逆にお母さんの体にも赤ちゃんにも良くないので、飲み過ぎには注意しながら、上手にストレス解消グッズとしてコーヒーとも付き合っていきたいですね。
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