海外旅行にお金をどうやって持っていくか?ってのはけっこう悩ましい問題です。
特に数ヶ月から数年に及ぶような長期旅行の場合、まさか貯金をずっと持ち歩いて旅をするわけにもいきません。
旅行資金を日本円で持って行くのか?ドルで持って行くのか?って問題もあります。
国や街によっては日本円から現地通貨への両替ができない場合もあるからです。
バックパッカー・長期の海外旅行へ行く方
海外ノマドワーカーを目指している方
海外で現金をあまり持ち歩きたくない方
これらの方に超!便利なのが、『国際キャッシュカード』です。
国際キャッシュカードってなによ?
国際キャッシュカードとは、その名の通り、世界中の銀行ATMで使えるキャッシュカードです。
海外のATMからお金を引き出せば、日本の銀行口座から現地の通貨に換算されて、現金を引き出すことができる便利アイテムなんですね。
どこで使えるの?
国際キャッシュカードには、クレジットカードでいう『VISA』や『Master』のような感じで国際ブランドがあります。
代表的なものが、VISA系列の『PLUS(プラス)』とMaster系列の『Cirrus (シーラス)』です。
日本や海外の銀行ATMを見てみると、たいていどこかに『PLUS(プラス)』と『Cirrus (シーラス)』のシールが貼ってあります。
これらのシールが貼ってあるATMなら国際キャッシュカードが使えます。
PLUS | Cirrus |
? | ? |
そして、キャッシュカードの裏面にもVISAやMasterみたいな感じで、PLUSかCirrusのマークが付いているので、同じマークがついているATMで利用できます。
(PLUSマークがついているキャッシュカードなら、同じPLUSマークが貼ってあるATMで使える。)
写真は楽天銀行の国際キャッシュカードであるVISAデビットカードです。
PLUSマークがついているので、PLUSマークがある海外のATMで使えます。
オランダ ABNアムロ銀行のATM(Wikipediaより)
ちょっと小さくて見にくいですが、PLUSマークもCirrusマークもあります。
レートはどうなの?手数料とかかかるの?
国際キャッシュカードで現地通貨を引き出す際の換算レートは、PLUSならVISAインターナショナル、CirrusならMasterインターナショナルが指定する為替レートに、3~5%程度を上乗せしたレートとなります。
ただし、VISAやMasterが指定する為替レートは非公開なため、利用する前にレートを把握することはできません。
レートを知るには、引き出した現地通貨の金額と、銀行口座から引き出されている日本円の金額から使用されたレートを自分で計算するしかありません。
基本的には、3~5%程度の為替レートに上乗せされる金額だけですが、銀行によっては、それに加えて1回当たり、100円や200円あたりの引き出し手数料を必要とするところもあります。
さらに上記に加えて、使用する海外ATMによっては、そのATMの銀行独自の手数料がかかる場合があります。
たとえば、フィリピンでいうと、MetroBankのATMなら引き出し1回あたり200フィリピンペソ(約480円)かかります。
引き出し限度額があったりする
利用する国やATM(銀行)、ATMの設置している場所等によって、1回当たりや1日当たりの引き出し限度額を設定している場合もあります。
たとえば、フィリピンでいうと、大型ショッピングモール内や銀行内のATMなら1回当たり1万フィリピンペソ(約25000円程度)の限度額になっていることが多いです。
その他の路上などにあるATMだと、1回当たり4000フィリピンペソ(約1万円程度)だったりします。
(どの銀行のATMかによっても違う。)
また、利用するATMの限度額だけでなく、国際キャッシュカード自体にも限度額が設定されている場合があるので、事前に確認が必須です。
国際キャッシュカードはどの銀行が出してるの?
かつては、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などの大手都市銀行も国際キャッシュカードを発行していましたが、現在は新規発行を停止しており、使えるのは既存のユーザーのみとなっています。
(※みずほ銀行は2014年2月28日をもって、海外ATMでの預金引き出しおよび残高照会も終了しています。)
みずほ銀行
2009年11月30日で新規発行終了。2014年2月28日で海外ATMでの預金引き出しおよび残高照会を終了。
みずほインターナショナルキャッシュカードを参照。
三菱東京UFJ銀行
2005年9月末で新規発行終了。
インターナショナルカード|三菱東京UFJ銀行を参照。
※三菱東京UFJ-VISAデビットのサービスを新たに開始しています。
三井住友銀行
2010年5月21日で新規発行終了。
国際キャッシュカードサービス|三井住友銀行を参照。
新規で国際キャッシュカードを発行している銀行は2行
新生銀行
新生銀行の総合口座「PowerFlex」なら、標準でPLUSマーク付きの国際キャッシュカードとなっています。
ただし、2014年1月20日より海外での不正引き出し防止のため、1日当たりの引き出し限度額が0円に設定されることとなりました。
利用する方はインターネットまたは電話での手続きが必要になります。(最大10万円まで)
レートは、VISAインターナショナルの基準レートに、4%を加算したレートとなります。
引出手数料は無料です。
シティバンク
シティバンクのキャッシュカードも標準でPLUSマーク付きの国際キャッシュカードとなっています。
レート算出法は、米ドルとその他の通貨で多少異なっています。
米ドルの場合、当日の日本のシティバンク銀行店頭での米ドル電信売レート(TTS)に3%を加えたレート(TTS×1.03)となります。
その他の通貨の場合は、提携機関が定めたレートで米ドルに換算された金額に、上記のレートを乗じて円貨を算出します。
さらに1回の引き出し当たり200円(税抜)の引き出し手数料がかかります。
利用金額や預金額によって口座維持費がかかったりします。
VISAデビットなら国際キャッシュカード機能が付いている
国内や海外のお店でクレジットカードのように使えるVISAデビットカードには、PLUSマークがついており、VISAやPLUSマークのついている海外のATMで国際キャッシュカードとして使えます。
現在、VISAデビットカードを発行している銀行は以下の8行です。
楽天銀行『楽天銀行デビットカード』
年会費 | 1,029円(税込) ※ゴールドは3,086円(税込) |
加算レート | 3.0% |
引出手数料 | 無料 |
スルガ銀行『SURUGA Visaデビットカード 』
年会費 | 無料 |
加算レート | 3.0% |
引出手数料 | 200円 |
ジャパンネット銀行『JNB Visaデビット』
年会費 | 無料 |
加算レート | 3.0% |
引出手数料 | 無料 |
りそな銀行『りそなVisaデビットカード』
年会費 | 1000円(初年度無料) |
加算レート | 2.5% |
引出手数料 | 無料 |
あおぞら銀行『あおぞらキャッシュカード・プラス』
年会費 | 無料 |
加算レート | 2.57% |
引出手数料 | 200円 |
埼玉りそな銀行『りそなVisaデビットカード』
年会費 | 1000円(初年度無料) |
加算レート | 2.5% |
引出手数料 | 無料 |
近畿大阪銀行『近畿大阪デビットカード』
年会費 | 1000円(初年度無料) |
加算レート | 2.5% |
引出手数料 | 無料 |
三菱東京UFJ銀行『三菱東京UFJ-VISAデビット』
年会費 | 1000円(初年度無料) |
加算レート | 3.0% |
引出手数料 | 100円 |
まとめ
国際キャッシュカードは、VISAデビットカードも入れて、現在、10種類あります。
それぞれ、加算レートは、2.5%~4.0%まで幅があります、年会費が無料のものから1000円程度かかるもの、さらに引出手数料が無料のものから100~200円かかるものなど、どの銀行のカードを利用するかによってもけっこう変わってきます。
ただし、なかには、利用金額が預金額によって優遇サービス(引出手数料が無料になったり、年会費が無料になったり)がある銀行もあります。
今度、ちょっと詳しい比較をしてみたいと思います。
クレジットカードで海外でショッピングやキャッシングをした場合の加算レートは1.63%程度なので、国際キャッシュカードの場合、若干レートが悪くなってはしまうのですが、クレジットカードを使えないお店も多いですし、そもそも現金を必要とする場面も多いです。
キャッシングは金利がかかってきますしね。
ですので、国際キャッシュカードを上手に活用して、できるだけ現金を持ち歩かずに必要なときに必要なだけ引き出すという感じでスマートに旅をしたいですね!
銀行の預金内でしか利用できないので、クレジットカードのように使いすぎて返済できない!なんて心配もありません。逆に貯金を使い果たしてしまう心配はありますが^^;
また、特に審査もないので申し込めば簡単に発行できるのもうれしいです。
そんなわけで、利用には色々と注意も必要ですが、ぜひ国際キャッシュカードを活用してみてください!
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