【海外ノマド】長期の海外旅行に行く場合の『確定申告』ってどうするの?

仕事術

海外ノマドワーカーを目指している方には気になるお題ですね。

世界一周とか世界放浪とかで1年以上にわたって日本を離れるという場合、海外転出届けを出すことで、住民税、健康保険、年金などの支払い義務がなくなります。
税法的には、『非居住者』という扱いになります。
(逆に言うと、海外転出届けを出しておかないと日本に住んでいないにもかかわらず、住民税・健康保険料を支払う義務が発生しますよ。年金はまだ将来のためになるというメリットもあるにせよ・・・。)

ですが!!

所得税からは逃れることはできません。

もちろん、会社を辞めて仕事せずに貯金だけで旅にでるよ~。なんて人には所得税はかかりませんが、アフィリエイトとかで海外ノマドワーカーをしつつ、日本の銀行口座に報酬が振り込まれているよ、って言う場合、海外にいようがきちんと確定申告をして、所得税を納める義務があります。
(補足:海外ノマドワーカーになって稼ぎながら旅を続けられる仕事を考えてみる

※今回の記事は個人事業主の場合を想定して書いてます。

出国までに納税に関する手続きを代行してもらう『納税管理人』を立てておく必要がある

確定申告をしないといけないのは分かったけど、そもそも日本にいないのにどうやって確定申告をするのさ?
って疑問も出てくると思います。

ネットで確定申告ができるという『e-TAX』を使うのかい?って思う方もいるかもしれませんが、なんと『e-TAX』は非居住者は非対応です。
海外からe-TAXを使って申告することはできません。
(申告はできないけど、申告書類をe-TAXで作ることはできる。)

じゃあ、どうするかというと、『納税管理人』という人を選任して、税務署に届け出を出す必要があります。
そうすることで、自分が日本にいない場合の税務署からの書類などは納税管理人の元に届けられるようになり、確定申告などの納税に関する手続きもこの納税管理人にしてもらうこととなります。

納税管理人は誰でもなれます。
家族や親戚でも、友人もいいですし、なんなら個人じゃなく法人でもなれます。
税理士である必要はありません。
簡素な書類に必要事項を書いて提出するだけです。
国税庁タックスアンサー『海外転勤と納税管理人の選任』

帰国後は、納税管理人の解任手続きが必要です。
じゃないと、ずっと納税管理人の元に書類が郵送されます。

確定申告書はどこの税務署に提出すればいいの?

通常、確定申告は住民票のある住所を管轄する税務署に提出しますが、非居住者の場合、日本に住所がないためどこの税務署に提出すればいいの?となります。

答えは、海外転出届けを出す前に、住民票があった住所地の税務署です。
ちなみに僕は世界一周旅行に行く前、神戸市東灘区に住んでいたのですが、1年以上の旅の予定だったため、マンションも引き払い、海外転出届けも出して、非居住者となって出国しました。
日本に住む家も住民票に住所もない状態となったわけですが、それでも、確定申告は、東灘区を管轄する芦屋税務署に提出してください、ということでした。

確定申告書の住所の欄にも、海外転出届けを出す前の住民票の住所を記入して提出してくださいとのことでした。
もう、そのマンションには僕は住んでいないのに!もしかしたら他の誰かが住んでるかもしれないのに!

な~んか変な感じがしましたが、そういう手続きになるようです。

ちなみに、確定申告書の住所の欄には、1月1日時点の住所を書く欄もあります。
ここに書いた住所地に住民税を支払う義務が発生するのですが、1月1日時点で非居住者となっている場合は、そのときにいた国の住所を書きます。

僕の場合は、フィリピンの英語学校の寮にいたので、そこの住所を書いて提出しました。

逆に言うと、1月2日に日本を出国した場合、たとえ1日だけだったとしても、1月1日時点で日本に住所がある場合、その年の住民税を支払う義務が発生します。
長期の海外旅行に行く場合は、1月1日までに出国しましょう!

まとめ

まとめると、

  • 1年以上、日本を離れる場合、役所に海外転出届けを出そう!
  • 住民税・健康保険・年金の支払い義務がなくなるよ。
  • 日本国内で所得がある場合は、海外にいても所得税を支払う必要があるよ!
  • 納税管理人を選任する書類を提出して、確定申告などの納税の関する手続きを代行してもらう必要があるよ!
  • 確定申告は、海外へ行く前の住所地の税務署に提出するよ!

こんな感じです。

僕の場合、実家の母親に納税管理人になってもらい、申告書は僕がe-TAXで作成して、母に印刷をして押印もしてもらい、郵送してもらってました。

顧問税理士がいる方は税理士が納税管理人も引き受けてくれると思います。
誰も頼める方がいない!という場合は、月額数千円程度で納税管理人の代行サービスをしている税理士事務所もあるので、問い合わせてみてもいいかもしれません。

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