生後1ヶ月頃の乳児湿疹は小児科・皮膚科どっちに行くべき?

育児

生まれたての赤ちゃんの肌はぷにぷにすべすべ。
なのに、生後2~3週間経つと、まゆげ・目の周りや頬、おでこ、口周り、首周りなど顔や頭に赤いニキビのようなポツポツや黄色いかさぶたのようなものができて、あんなにすべすべだった赤ちゃんの肌がガサガサになってきたとお悩みの方も多いことと思います。

ひどくなってくると膿んできて赤くただれてジュクジュクしてしまったり、黄色い汁みたいなものが出てきてしまったり、赤いぼつぼつが痒いらしく赤ちゃんが顔や耳を掻きむしって血が出てしまったりしてきます。

このような赤ちゃんの皮膚トラブルを総称して『乳児湿疹』といいます。
乳児湿疹の種類や原因、症状が現れてくる時期などは様々ですが、主に生後1ヶ月以内に出てくるものは母体から受け継いだ黄体ホルモンによって皮脂分泌が活発になっている影響、生後2~3ヶ月以降については、保湿不足による乾燥肌やアトピーや食物アレルギーなどを原因とするケースが多いようです。

【乳児湿疹】の種類・症状・原因、家庭できるケア・対策をまとめました!
わが子は現在、生後3週間と5日となりました。 元気にすくすく育ってくれているのですが、いま気になっているのが顔や体にできた赤いブツブツ。 どうやら乳児湿疹というらしく生後3週間くらいから3ヶ月頃まで、長いと1~2年くらい続く赤ちゃんによく見

特に初めてのお子さんだと、赤ちゃんの肌はすべすべだと思っていたのにこんなにひどい肌荒れになるなんて!と心配になりますよね。
私自身そうで、わが子が生後20日過ぎくらいから乳児湿疹がひどくなってきて、「これは病院に連れて行った方がいいのだろうか?」「1ヶ月健診もまだ終わっていないのに外出して大丈夫?」「連れていくとしたら小児科?皮膚科?どこが良いの?」と悩みました。

そんなわけで同じように悩んでいる方も多いと思いますのでまとめてみました。

受診を考える科とそれぞれの診療科の特徴

小児科

乳児・幼児など子供専門の内科といった位置づけになります。
皮膚科医のように皮膚疾患の専門医ではありませんが、赤ちゃんの皮膚トラブルというのはメジャーな症状なので、どこの小児科医でも乳児湿疹の診察・治療には慣れているはずです。
また、小児科のなかにはアレルギー科も併設し、赤ちゃん・子供の皮膚疾患やアレルギーの診察・治療に力を入れているところもあります。

乳児湿疹などの皮膚疾患はもちろん、急な発熱や嘔吐など赤ちゃんがなんらかの病気にかかった場合や健診、予防接種などなにかとお世話になることが多いので、なるべく早めに近所のかかりつけ医として信頼できる小児科を見つけておきたいです。

皮膚科

その名の通り皮膚トラブルの専門医ですので、乳児湿疹の場合、皮膚科の方がいいという意見も多くあります。
ただし、その皮膚科医が生後1ヶ月など月齢の低い赤ちゃんの診察に対して、豊富な症例数、知識を持っているのかどうかというのが未知数です。
皮膚科は赤ちゃんだけじゃなくて大人も行きますので。

そういう意味で皮膚科に行く場合、赤ちゃんの診察になれている病院・クリニックを選ぶ必要があります。

産婦人科

1ヶ月健診を出産した産婦人科で受けるというケースも多いので、とりあえずは出産した産婦人科に行ってもいいんじゃない?とか1ヶ月健診のときに相談すればいいんじゃない?という意見も多いです。
ですが、産婦人科はあくまで「妊娠・出産」のための科なので、生後1ヶ月以内とはいえ、乳児湿疹などの皮膚疾患については専門ではありません。
1ヶ月健診時には小児科医が担当しますが、身長、体重、頭囲などの身体測定、股関節の開き具合や視力など体に異常がないかのチェックなど決まった項目を調べるだけです。
乳児湿疹はどんな赤ちゃんにも起こる症状なので、1ヶ月健診時に相談してもたぶん「そのうち治りますよ~。」と軽く流されちゃうんじゃないかなと思います。(もちろん先生によるとは思いますが^^;)

アレルギー科

アレルギー科を単品で掲げている病院・クリニックはないと思いますが、最近は、小児科+アレルギー科とか皮膚科+アレルギー科、内科+アレルギー科など、アレルギー科を併設している病院も多いです。
ちなみにアレルギー科の医師にはアレルギー学会認定医という資格があり、日本アレルギー学会のホームページで公開されています。
日本アレルギー学会専門医・指導医一覧
まあ資格はただの資格なんで、認定医じゃなくてもいい先生がたくさんいると思うので、あくまで参考程度に。

生後1ヶ月以内ならまずは小児科に行くべき。その理由

生後1ヶ月以内の乳児湿疹で病院を選ぶ場合、小児科か皮膚科のどっちがいいかということになりますが、私は小児科をおすすめします。
その理由は主に以下の3点です。

(※ただし、両親など近親者にアトピー性皮膚炎などがある場合、アトピーは遺伝的要素が強いので、赤ちゃんもアトピーの可能性が高いです。
このような遺伝的にアレルギーの可能性が高いという場合は、最初からアレルギー科を併設している小児科など、皮膚疾患に強い病院に行った方がいいと思います。)

今後の長い付き合いを踏まえた信頼できるかかりつけ医を探せる。

小児科は今後、子供が1歳、2歳と成長していく過程で頻繁にお世話になります。
やれ熱が出た、やれ嘔吐した、3ヶ月健診だ6ヶ月健診だ、予防接種だ、など、思っている以上に子供を小児科に連れて行く機会は多いです。
そんなときのために今回の乳児湿疹の診察をきっかけに信頼できる小児科を探してみてはいかがでしょうか?

皮膚疾患だけでなく総合的に診察してもらえる。

皮膚科が皮膚疾患を専門的に診るのだとすれば、小児科は子供全体を診ます。
全体とは、沐浴はどのようにしているのか、ミルクなのか完全母乳なのか混合なのかなど、育児全般の生活習慣などの相談・アドバイス、またちゃんと体重は増えているか、栄養は足りているか、何か体に異常はないかなど総合的に診てもらえます。

専門医による診察が必要と診断されれば紹介してもらえる。

生後1ヶ月以内の乳児湿疹の場合、たいていが脂漏性湿疹というホルモンの影響による一過性のものですが、なかにはアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどの場合もあります。
もし小児科の先生が専門的な検査や治療が必要だと診断すれば、皮膚科やアレルギー科など専門医を紹介してもらえます。
専門医の診察を考えるのはまず小児科で診てもらってからで十分じゃないかなと思います。

小児科の診察と主に行われる治療内容

小児科医によっても治療方針は違うようです。
私は2件の小児科に行きましたが、以下の2種類の治療方針に分かれました。

洗顔と保湿剤で様子見

生後1ヶ月以内の乳児湿疹はたいていの場合、過剰な皮脂分泌による脂漏性湿疹なので、しっかりベビーシャンプーやベビー石けんで顔を洗って、風呂上がりにしっかりヒルドイドなどの保湿剤でしっかり保湿しましょう。という感じです。
比較的、軽度な乳児湿疹や、明らかに一過性の脂漏性湿疹だという場合はこんな感じで保湿して様子見という診断になるようです。

乳児湿疹を治す沐浴のポイント※お風呂でしっかり洗顔と風呂上がりの保湿が大事!
乳児湿疹かわいそうですよね;; 時期がくれば自然と治ると言われても早く治してあげたいと思うのが親心。 ※乳児湿疹の種類や原因、治し方などについては、『【乳児湿疹】の種類・症状・原因、家庭できるケア・対策をまとめました!』をご覧ください。 う

ステロイド剤で積極的に治療

ロコイドなどの赤ちゃんにも使える弱めのステロイドの軟膏を塗って早期に湿疹を治してしまいましょう、という方針です。
肌荒れの状態だと、皮膚や粘膜のバリア機能が低下してしまいダニ、ハウスダスト、食事のカスなどによるアレルギーを起こしやすくなるという説があります。
これを経皮感作といいます。

少し前に茶のしずくという洗顔石けんを使い続けていた人が小麦アレルギーを発症したという騒ぎがありました。
(参考:茶のしずく石鹸事件の概要【悠香】 – NAVER まとめ

これは石けんの界面活性剤で皮膚のバリア機能が落ちているところにアレルゲンである小麦成分を繰り返しつけることで、皮膚から小麦を吸収し、小麦アレルギーを発症してしまったというのが原因でした。
乳児湿疹で肌のバリア機能が弱っているところに、授乳などによって口の周りに母乳が付き、ガーゼで拭き取ると皮膚から体内に吸収され、母乳の中に含まれている卵や小麦などのアレルゲンから食物アレルギーを起こす確率が高いということが分かってきています。

なのでステロイド剤を使って、できるだけ早期に湿疹を治してしまい、皮膚のバリア機能を回復させた方がいいという治療方針です。

どちらの治療方針がいいのか

保湿で様子見をする守りの方針か、ステロイドで積極的に治療する攻めの方針か、どちらがいいのかはちょっと両者ともに様々な意見があり、私にはちょっとまだ結論は出ていません。
結局は赤ちゃんの経過を見ながら、先生ともよく相談しながら、治療方針を決めていくしかないのかなと思います。

小児科に連れていく場合に注意すること

そもそも病院に連れて行くべきなのか

低月齢の赤ちゃんはまだ抵抗力も弱いですし体力もないです。
小児科には風邪などの感染症の子供もいるので感染症をうつされてしまうリスクもあります。
そのようなリスクを冒してまで、乳児湿疹というのは病院に連れていく症状なのか?というのは意見の分かれるところです。

ただの乳児湿疹だと思っていたら重大なアレルギーだったという可能性もあり得ますし、やっぱり赤ちゃんの顔が湿疹で赤くブツブツになっているのは見てて痛々しいしかわいそうです。
家で悶々と連れていくべきかとストレスを抱えているよりは一回、お医者さんに診てもらった方が少しは安心できますし、私は連れていったらいいと思います。

ただ、連れていくタイミングは1ヶ月健診が終わってからでもいいのかなとは思います。
うちの場合は、1ヶ月健診が終わるまでは沐浴とかできれいに洗ってあげたり、マメに顔をお湯で十分に濡らしたガーゼで拭いてあげたりと自宅でできる限りのケアをしてあげながら様子を見て、それでもあまり良くならないので1ヶ月健診が終わってから小児科に連れて行きました。

小児科では、沐浴の仕方を指導してくれたり、保湿剤を処方してくれたりして、かなり改善したので私は連れて行ってあげてよかったと思っています。

できるだけ近所のクリニックへ

赤ちゃんは生後1ヶ月は外出してはダメと言われます。
それは免疫機能がまだ弱いから感染症にかかりやすかったり、まだ体力がなく疲れやすかったり、体温調節がうまくできず気候の変化に対応出来なかったりと色々理由があります。
また、お母さんも出産のダメージから完全に体力が回復していないのでできるだけ外出しない方が無難です。

それでも行く場合、お母さんにも赤ちゃんにもできるだけ負担の少ないよう近所の小児科に行くようにしましょう。
交通手段も徒歩、自家用車、タクシーなどで行きましょう。
バス、電車などの不特定多数の人とふれあうような公共交通機関は避けましょう。

体温は自宅で測ってからいくと楽

小児科では受付をすますとまず体温を測ってくださいと体温計を渡されます。
病院の待合室でベビーカーやら荷物を抱えながら赤ちゃんの体温を測るのもなかなか大変なので、出かける前に計ってから病院に行くと楽です。

問診票も書いてから行くと楽

初診のときでもネットでその病院のホームページからプリントアウト出来るようになっているところもあります。
体温と同じで待合室で問診票を書くのも大変なので、あらかじめて書いて持って行くと楽です。

保険証や乳幼児医療証がまだない場合

生後1ヶ月程度だと保険証や乳幼児医療証がまだ届いていない場合もあるかもしれません。
保険証や乳幼児医療証がない場合、一旦窓口では全額自己負担となりますが、後日、保険証や乳幼児医療証が届いてから、病院の領収書を持って、役所の窓口に行けば返金してくれます。
ただし、返金はその場で現金ではなく、後日(2ヶ月後くらい)に指定口座に振込になります。

脱がせやすい服装で

小児科の場合、症状が顔の乳児湿疹で診察を受けたとしても、服を脱いで全身の診察をされます。
まあ、赤ちゃんなので常に脱がせやすい服装をしているとは思いますが、変におしゃれして脱がせにくい服装を着せたりしてると病院で大変なので、着脱しやすい服装を着せていきましょう。

小児科へ行くときの持ち物リスト

持ち物 備考
診察券 初診の場合はなし
問診票 家で記入してから行くと楽
保険証 まだ届いていない場合は一旦自己負担
乳幼児医療証 まだ届いていない場合は一旦自己負担
育児ノート 授乳回数とか授乳時間とか色々聞かれるので持って行くと答えやすい
おむつ 新生児はおむつ替えも頻繁なので一応持参
おむつ替えシート あった方が便利
ビニール袋 交換した後のおむつを持ち帰る用など何枚かあったら便利
おしりふき  
ガーゼハンカチ  
おくるみ  
あやし用おもちゃ 泣いた場合にあやす用
授乳セット できれば授乳が終わってお腹いっぱいのタイミングで行きたいけれど、そうも行かない場合は持参。
お湯、湯冷まし用の水、粉ミルク(固形のキューブタイプが便利)、ほ乳瓶など。

アトピー・食物アレルギーなど「ただの乳児湿疹でない場合」に注意

生後1ヶ月頃に起こる乳児湿疹はたいていの場合、黄体ホルモンの影響による過剰な皮脂分泌を原因とする脂漏性湿疹です。
その場合、生後2~3ヶ月頃には自然と治ります。

ただし、なかにはアトピー性皮膚炎や卵や小麦などの食物アレルギーなどを原因とする場合もあるので、そのような場合は注意が必要です。
とはいえ、生後6ヶ月を過ぎる頃までは血液検査によるアレルゲン検査はできず、結局は、ステロイドなどの塗り薬や保湿剤などによる予防、対処療法で様子を見る形になります。

生後2~3ヶ月頃になっても治らないからといってかならずアレルギーというわけではありません。
この時期になると次は保湿不足による乾燥肌やヨダレなどによるかぶれが原因となっている場合が多いです。

お母さんの食事から食材を除去するのは素人が勝手にやらない方がいいらしいので、食物アレルギーが疑われる場合などは専門医の指導を仰ぎましょう。
ただ、アレルギーとまでいかなくてもアクの強い食材など乳児湿疹が出やすい食材というのもあるので、お母さんのストレスにならない範囲で、乳質を良くする食べ物には気をつけてもいいかもです。

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転院する場合の注意点

既に小児科や皮膚科の先生に診てもらったけど、なかなか治らない、どうにも信頼できない、セカンドオピニオンも受けてみたい、などほかの先生の診断を仰ぎたい場合もあると思います。
どの医者の言うことも信用できず色々な病院を転々とするドクターショッピングのような事態にはならないようにしたいですが、色々な医師の意見を聞いてみるってこともいいんじゃないかと思います。

もし、病院を変える、セカンドオピニオンを受けたいという場合は以下のことに注意しましょう。

可能であれば、診療情報提供書(紹介状)を書いてもらう

いままでにどのような症状が出て、どのような診断をし、どのような治療を行ってきたのかという情報を医師がほかの医師に伝達する書類です。
(参考:診療情報提供書 – Wikipedia
紹介状がなくいきなり別の病院に行くと、またイチからの診断・治療となり、結局いままでやった治療と同じことを繰り返される場合もあります。

どんな薬をどれくらい使っていたか分かるものを持って行く。

紹介状が無理でも、お薬手帳や薬の処方箋の控えなど、どのような名前の薬を、1日何回、どのくらいの期間、どの程度の量塗っていたかということが分かるものを持って行きましょう。
最低でも薬の名前は分かっていた方がいいです。

まとめ

以上、生後1ヶ月以内の乳児湿疹は小児科・皮膚科どっちに行くべき?という悩みについてまとめてみました。」

結論としては、まずは小児科でOK。です。
小児科ってのは子供も総合的に診てくれる科なので、まずは小児科に相談してから、その後、必要に応じて、皮膚科やアレルギー科など専門医の検査・診察が必要なら紹介してもらうという感じでOKかと思います。

そのためには信頼できる小児科の先生を見つけるってのが超大事になると思うんで、また次回は信頼できる小児科医の選び方なんてのも書いてみたいと思います。

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